7月下旬、国際看護の講義で、カナダで活躍する日本人看護師によるオンライン講義を行いました。講師として、トロントとバンクーバーで看護師として勤務されている2名をお招きしました。
日本とカナダの看護を比較すると役割や働き方に大きな違いがあります。カナダでは、看護師の専門性が高く、より多くの知識やスキルを求められます。看護師免許も1年に1回、更新手続きが必要とされ、その手続きには勤務実績や研修会への参加、研究活動の実績などが問われるとのことです。また、ナースプラクティショナー※は約9000人にのぼり、医師と同等に患者を受け持ち、診察・治療を行っているとのことです。新生児から高齢者までのプライマリーヘルスケアを担当し、広く人々の健康の保持増進に向けた看護活動を行っているとのことでした。日本では、医師が行う業務、例えば死亡診断、乳児検診、子宮がん検診なども看護師が行う場面があるということを学ぶことができました。
講義に参加した学生からは、「自分の知らない看護を知ることができた。専門性の高さを求められる点で常に勉強をし続ける姿勢が凄いと感じた」「日本とカナダの看護を比較することで視野が広がった気がする。それぞれの良さを取り入れて自分の看護につなげていきたい」などの感想が述べられていました。
学生との質疑応答も活発に行われ、とても有意義な時間となりました。
※ナースプラクティショナーとは、アメリカをはじめとする国々で広く認知されている医療専門職の一つで(日本には、まだ正式な資格制度はありません)、看護師としての基礎的な知識と技術を持ちながら、医師のように診断・治療を行うことができる資格を持つ専門家です。